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2023年

4月

10日

女流陶芸

昨年8月26日に急逝された女流陶芸代表・坪井明日香先生の「お別れの会」が、3月30日、ホテルオークラ京都にて、しめやかに執り行われました。ご縁をいただいた多くの方々が参列され、先生を偲び、別れを惜しみました。

また、昭和32年に坪井先生が創設し、その人生をかけて築き上げられた「女流陶芸」は、この日を以って活動を終了いたしました。長きに亘るご厚情を、会員一同心より感謝申し上げます。

 

私は、昭和62年の第21回展に初めて出品し入選して以来、35年間お世話になりました。毎秋、京都市美術館(現 京都市京セラ美術館) に集まり、役割や設営を通して会員の皆様と交流できたことは、楽しいばかりではなく、学ぶことも多い貴重な体験だったと思います。何よりも、凝り固まっていた制作に対する考え方を変えてくれ、陶芸における自由表現の可能性、面白さを知ることができました。

ここで得られたものを生かし、今後も頑張っていきたいと思います。    (2023. 4.10)        

                                       

 

2022年

2月

07日

第9回陶美展

  先週、日本橋高島屋での「第9回陶美展」が無事に終了致しました。

今回は、オブジェの出品者が増え、レベルがかなり上がったとの印象を受けました。

 

私の作品「萌芽」は、大きなガラスケースの中に展示されていました。どうやって作ったのかと興味を持ってくださる方も多く、何となく嬉しくなります。

 

新型コロナオミクロン株感染拡大中のため、観覧のお客様も少なく残念でしたが、この「第9回展」は今後入賞、入選作を中心に、広島と姫路に巡回されることになり、私の作品も選抜されました。お近くの方、旅行予定の方、どうぞご高覧くださいませ。        (2022. 2. 7)

 

広島展 会期 : 2022年5月14日(土)~6月12日(日)

       会場 : はつかいち美術ギャラリー

                           (広島県廿日市市)

 

姫路展 会期 : 2022年6月18日(土)~8月28日(日)

     会場 : 姫路市書写の里・美術工芸館 

                          (兵庫県姫路市)  

2022年

2月

07日

菊池ビエンナーレ

虎ノ門にある菊池寛実記念智美術館にて開催されている「第9回菊池ビエンナーレ 〈現代陶芸の今〉」では、入選作品「脱皮」が展示されています。

 

幻想的な雰囲気の中で、作品が浮かび上がってくるような展示をしてくれます。そのせいか、本当に殻を破ってにょろにょろ生まれ出てるみたい。

 

技法の説明が書かれている作品もあり、とても勉強になります。

 

新型コロナオミクロン株の蔓延で、外出が憚られるこの頃ですが、3月21日まで開催しておりますので、ご覧になっていない方はどうぞ覗いてみてください。 (2022. 2. 7)

 

2022年

2月

05日

「脱皮」から「萌芽」へ

昨年11月に、京都市京セラ美術館にて開催された「第55回女流陶芸展」では、思いがけず文部科学大臣賞をいただくことができました。

 

実はこの「萌芽」という作品、窯に入るギリギリの90㎝高さまで立ち上げたのですが、予想以上の収縮のため、全体のバランスが崩れて焼き上がったという、ちょっと残念な作品でした。

ただ、まあまあいい色が出せたかなということが救いでした。

 

この色が、審査員の先生方から評価されたようです。

 

中ノ堂一信先生(京都芸術大学名誉教授)からは、直接「色がいいね」とお話しいただき、また外舘和子先生(多摩美術大学教授)は「モノトーンの内に力強い生命感を示している」(陶説より)、大長智弘先生(京都国立近代美術館主任研究員)も「種に施された地文様と芽とが視線を上部へと誘い、色彩をモノトーンにまとめたことで、静かな中にも強い動性を感じさせる作品」(炎芸術より)と評価してくださいました。

 

会場で観てくださった方からも、「どんな状況でも、迷いながらもわずかな可能性に向けて伸びて行こうとする力を感じた」とのお声をいただきました。

 

客観的な評価がこんなに有難いと思ったことはありません。それは確実に、今後の制作に繋がってくれると思います。

 

私達が「生きる力」を感じる瞬間は、本当に様々だと思います。昨年前期までの3年間は「脱皮」し新しく生まれ変わろうとするパワーを表現したいと制作してきましたが、今回は静から動への生命力を、そして次は、また違う意味での力強さを表現できたらと思っています。        (2022. 2. 5)

 

 作品をぐるっと回って観ると、少しずつ違う風景が見えます。

2020年

1月

29日

第7回陶美展

 

第7回陶美展が無事終了致しました。

冷え込み厳しい時期でしたが、ご高覧くださいましてありがとうございました。

 

会期中、1/25には、受賞者ギャラリートークで作陶への思いをお話する機会をいただきました。

拙い話し方ではありましたが、たくさんのお客様に耳を傾けていただき、感謝申し上げます。

 

その折にお話したことも含め、今回の受賞作品「脱皮」について、書いてみたいと思います。

 

私にとっての陶芸は、自分の思いを表現できるものだと思っています。

自分と作品を重ね合わせて、生き様だったり、生命力やたくましく生きる力などを

形にして伝えることができればと考え、どうすれば表現できるか、

ということをテーマに制作してきました。

 

今回の作品も、そのテーマを軸に、

殻に閉じこもっている自分がいる、その殻を打ち破って、新しい自分に生まれ変わり

力強く頑張って生きていこう、という思いを伝えたいと思いました。

 

「脱皮」とは、昆虫や爬虫類が成長する時にも行われますが、

そうした脱皮そのものの瞬間を捉えると共に、

我々人間も、常に新陳代謝、つまり、脱皮を繰り返して生きているのではないか、

そして、自分の作品も脱皮を繰り返しながら今の作品になってきた、

そんな考えも絡まっています。

 

もう一つのテーマとしては、無彩色へのこだわりがあります。

高校時代、日没後の群青がかった無彩色の空に心をひかれ、色のあるものだけでなく、

色のない世界にも美しさがある、ということに気付きました。

 陶芸を始めてからは、その憧れの色を土によって、いつか表現してみたいと思ってきました。

またその色で、自分のテーマである「生きる力」を表現できたらと、試行錯誤してきました。

ただ土で色を作るのではなく、

表面に施す技法次第で、表情や雰囲気、色合いまでが変わってきます。

触ると堅い陶器なのに、目に映るのは、しなやかさ、力強い動き、

あるいは、柔らかい布のような質感、堅い鋼鉄のような冷たさ。

焼き上げて初めて分かる微妙な変化は、命が宿ったかのようにも見え、

自分でも驚きの連続です。

 

 

今までは、黒一色の無彩色の世界の中で、生命感、躍動感が感じられるものをと、

様々な方法を試してきましたが、今回は「脱皮」ということで、

「新しい自分に生まれ変わり、力強く生きよう」とのメッセージを込めたいと思い、

ポリュウムのある躯体から迸るイメージで、赤を使ってみました。

 

その赤の部分には、針で細かく叩いています。

焼き上げると、表面に変化が表れ、単に飛び出しているのではなく、

しなやかな、意思の強さの感じられるような動きが出てきました。

 

本体の殻の表面は、細い線模様で覆われていますが、2ミリの土の紐を2本ずつ縒って

貼り付けています。タイミングを見計らって、ここも針で叩き、白化粧を叩きつけ、

また針で叩く、を繰り返します。

うねりがあって、波の飛沫のようにも見えますが、殻が膨らみ、凝縮して、破れる、

という動きが弱く、「打ち破る」イメージには近付きませんでした。

これは今後の課題かなと思います。

 

ここ何年かの私の作品は、自分で自分を励ましているような作品が多いのかなと思います。

そんな思いが観てくださる方にも伝わり、少しでも励みとして感じていただけるような作品を

作っていけたらと思います。(2020. 1.29)

 

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2018年

1月

12日

第5回陶美展が始まります

来週から開催される「第5回 陶美展」に、茨城交通賞・優秀賞をいただいた作品

「IKIBUKI」も展示されます。

冷え込み厳しい時期ですが、どうぞご高覧ください。

 

2018年 1/17(水) ~ 1/23(火)

 10:30 ~ 19:30 (最終日は16:00まで)

日本橋高島屋6階美術画廊

 〔列品解説〕1/20(土) 14:00 ~ 

    解説:酒井博司(陶芸家・審査委員)

   

この作品から、

植物の 種から発芽し、しなやかに、強く伸びようとする、

そんな生命感を感じていただけたらと思います。

 

タイトルの ―IKIBUKI―

漢字で書くと「いぶき」と読む言葉があります。

それよりもさらに深く、

「芽吹き」そして「逞しく生きていく」という意味を込めたいと、敢えてローマ字にし、

「生きる、吹く」を体言止めにして、言葉を造ってみました。

 

またここ15年程試行錯誤してきた、

無彩色の世界の中での生命感。

これを表現するために、

今回は、いつもとは異なる試みをしてみました。

 

黒いやきものは、そのままでは、硬い、冷たいイメージになります。

いつものように、針でたたけば、

全体がスエードのような柔らかい表情に焼き上がります。

さらに「種」に施した細いうねりのあるライン。

その白との対比と相まって、

息をしながら上へ上へと伸びようとする雰囲気になりました。

 

解説を書いてくださった審査員の先生からも

「やきものなのにどことなく柔らかくも暖かい雰囲気」

「全体が呼吸しているかのような生命力を感じさせる作品」

との評価をいただきました。

 

皆様にも感じていただければ嬉しいです。 

             (2018.1.12)

 

  

2017年

8月

12日

茨城県陶芸美術館へ

8月8日、茨城県陶芸美術館にて

開催されている第24回日本陶芸展を

観てきました。

 

東京展とはまた違った空間での展示。

4ヶ月ぶりに再会した自分の作品が

少しばかり新鮮でした。

 

9月3日まで開催しておりますので、

まだご覧になっていない方は、

是非ご高覧ください。

 

また、併設の「新収蔵品展」、

「近現代日本陶芸の巨匠たち展」

共にとても面白く、楽しめました。

おすすめです ! 

                                                                                 (2017.08.12)

  

2017年

2月

03日

第24回日本陶芸展に 入選しました

6回展ぶり、3回目の入選です。

失敗続きで何度もやり直した作品

だけに、うれしいです。

 

ちょっと へぇぇ~な作品ですが、

是非ご高覧ください。

 

 東京展 4/6(木) ~ 11(火) 

                 大丸東京店

 大阪展 4/19(水) ~ 23(日) 

                 大丸心斎橋店

 茨城展 6/17(土) ~ 9/3(日) 

                 茨城県陶芸美術館(笠間市)

 九州展 9/14(木) ~ 18(月) 

                 西日本総合展示場

                             (福岡県北九州市)

 

                                           (2017.02.03)

 

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2017年

2月

01日

二人展

 1/27~30の4日間、

寒い時期での開催でしたが、

お天気に恵まれて、

沢山の方が足を運んでくださり、

大盛況のうちに無事

終了することができました。

ご高覧いただきまして有難うございました。

 

 この展覧会は、

宏尚の出身校である長野県飯田高校

同窓生の方々のお力添えによって

実現したものです。

卒業後、47年以上も不通であったにも拘らず、

温かくご支援いただきました。

設営から片付けまで、終始ご協力いただき、

感謝の気持ちでいっぱいです。

 

また、28日のギャラリートークに約50名、

オープニングパーティーには30名の方々が

参加してくださり、賑やかな楽しいひとときを

過ごすことができました。

 

 

— 過去・現在 そして、これから —

 

過去のことは忘れることがあっても

「今」ある私は過去の積み重ね

これからの人生は、

「今」という瞬間の積み重ね

そして、「今」の生き方は、

これからの人生を変える力を持っている

 

今回の二人展のコンセプトです。

それぞれ

苦労して頑張って生きてきたことが

「今」に繋がっています。

その証としての作品

陶芸やデッサン、水彩画等120数点を

展示させていただいたことで、

次への目標も見えてきました。

今後もさらに努力していきたいと思います。

 

遠方のため、お出掛けが難しかった皆様、

ギャラリーをどうぞご高覧ください。

 

                                    (2017.02.01)

 

 

 

 

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2016年

3月

31日

教室作品展

3/4~9まで新百合ヶ丘の

麻生市民ギャラリーにて開催された

ひゆうが陶房 陶芸教室主宰の

「第12回 陶華会作品展」が

好評のうちに終了いたしました。

 

たくさんの方からご意見や、

ご感想をいただき、

これからの作陶の励みにしたいと、

会員一同感謝しております。

 

ご高覧いただき、

ありがとうございました。

                                 (2016.03.31)

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2016年

1月

05日

「陶説」 1月号 

日本陶磁協会が発行する 「陶説」1月号に、

昨秋の女流陶芸展で文部科学大臣賞を受賞した

作品「Feelings」が掲載されました。

 

美術評論家の外舘和子先生より、

 

太い指の様なムクムクした動きのある黒い形は、

花から発想を得ながらも、最終的には

花とは全く別次元の姿となっている。

三点の形状は個々に変化に富み、

表面はぶつぶつとした触覚を感じさせる。

豊かな想像力を確かな技術が支えている。

 

との評価をいただきました。

         

 

 

クラフトから出発した私ですが、

ここ数年は、「生きる力」をテーマとして制作してきました。

 

今回の作品 「Feelings」 では、

人間の心の中の様々な思いを

花のようなモノの形を借りて表現してみました。

 

内側から溢れるような、あるいは、内に引き込まれるような思い。

 

私たちは、今までも、今も、そんなたくさんの思いを

経験しながら生きてきて、強くなり、

またこれからも生きていくのです。

 

そして、もう一つのテーマ。

 

同じ土でも、色々な『手』を加えることで

また違った表情や質感が出てくる。

 

焼き締まった固い陶器なのに、

一見、柔らかい布のような雰囲気。

思わず触ってみたくなったり。

 

黒なのに、微妙にモヤっと紺味がかった

日没後の無彩色の空のような色だったり。

 

その『手』を楽しむために、

また今年も頑張っていきます。

 

                                     (2016.01.05)

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2016年

1月

04日

新しい年によせて

あけましておめでとうございます。

本年も幸せな一年となりますように。

 

さて、今年は、

所属する女流陶芸の50周年記念展、

さらに次年度早々には

長野県飯田市の飯田創造館にて

初の夫婦二人展を予定しており、

作品発表の機会が続きます。

 

3月には、教室の作品展も開催されます。

 

気を引き締めて、

頑張っていきたいと思います。

 

                                  (2016.01.04)

2015年

6月

24日

陶遊

昨日、6/23に発売された

陶芸雑誌「陶遊 149 号」に

 

ひゆうが陶房 陶芸教室の

紹介記事が掲載されました。

教室の楽しい雰囲気が伝わってきます。

 

また、4月に開催された

上野の森美術館での「日本陶芸ガラス展」の

会場風景と出品作品が同じ本に載っています。

 

皆様、ぜひ、ご覧ください。

 

                                        (2015.06.24)

 

 

 

 

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2015年

4月

18日

蕎麦打ち会

今日は教室の皆さんと工房にて「蕎麦打ち会」を開催しました。

 

この日のために、各自蕎麦猪口を制作、

本格的な道具を用意して、

順番に捏ねたり、切ったり・・・

さすが皆さん、菊練りはうまいこと !

 

大鍋にお湯をたっぷりわかし、30秒。

 

                    薬味はねぎに大根おろし、

                    生わさび。

                                                          

                    天ぷらとお寿司まで登場して、

                    お酒も用意して、と。

 

                    さてさて、お味は・・・?

    

なぜか

短いお蕎麦になってしまいましたが、

まあなかなか美味しい。

やっぱり手作りだし、皆で作ったし、

世界に一つの蕎麦猪口だしね。

 

賑やかなお食事会の後は、

プロのジャズピアニストでいらっしゃる会員の御主人さまの生演奏を拝聴し、

優雅なひとときを過ごしました。

 

                                (2015.04.18)

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2015年

4月

15日

日本陶芸ガラス展が始まりました

 

 

上野の森美術館ギャラリーにて、日本陶芸ガラス芸術協会のグループ展が、今日から始まりました。遅咲きの桜のお花見がてら、どうぞご高覧ください。

 

                                (2015.04.15)

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2014年

12月

19日

ブログを始めることにしました

還暦を迎えた私にとって、

初めてのブログ作成…

ちょっと勇気がいります…

 

 

京都市美術館での女流陶芸展も終了し、ホッとしております。

ご高覧いただきました皆様、

ありがとうございました。

 

 

心の内を縛る鎖、

心に潜む枷を解きほどき、

しなやかに生きていきたいという、

そんな思いから 今回も「生きる」をテーマに制作しました。

 

私自身の人生のテーマでもあります。

 

その思いを表現できているかどうか…

本当に難しいです。

 

またすぐ次に向かいます。

                                                                                    (2014.12.19)

 

 

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